Japanische Klassiker mit Furigana
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あいのごとく
愛のごとく
山川 方夫
Lesen Sie 愛のごとく (あいのごとく) von 山川 方夫 (やまかわまさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 103.908 Zeichen · 210 Bildschirme
「やめてもらうことになったよ」と、荻村がいった。「さっき、きまったんだ」
「……まだ都合がある」と、信二はいった。
荻村は困った顔をつくった。「兄貴が、どうしてもやめさせてくれ、っていってるんだ」
「でも、僕はまだ少し……」
「都合がわるいっていうが、その都合を小畑は金だと思ってるぜ、ちがうのかい?」安達はその客間のピアノの前に行って坐った。「おれも、坊やにやめてもらいたいな」
「どうして?」信二はくりかえした。
「どうしてって、事情がどうであれ、兵隊と悶着をおこされたらたまらねえ。運がわるいんだと思ってくれ」
「さいわい、」安達は革スリッパの脚をぶらぶらさせながらつづけた。「こないだのやつはまあ、相手が名乗りをあげてくれなかったからいいけど、こっちとしちゃもう坊やはつれて行けない」
「殴られただけです、一方的にこっちが」と信二はいった。
「かかって行ったのは忘れたのか?」
「……もうあんな馬鹿なことはしません。ぜったいにしません」唇を噛み、信二は低くくりかえした。「もう、なにもしない」
安達はとりあわなかった。荻村は外出の黒い背広に着替えていた。彼はなにもいわなかった。