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Japanische Klassiker mit Furigana

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あいのごとく

愛のごとく

山川 方夫

Lesen Sie 愛のごとく (あいのごとく) von 山川 方夫 (やまかわまさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 103.908 Zeichen · 210 Bildschirme

Aozora Bunko

兄はめったに家にかえってくることもなかった。すでに夏に入ったある夜、明け方に帰ってきた兄が安達の死を知らせた。座間のオフィサー・クラブで、彼は兵士の一人に殴り倒されスチームの太い鉄管で頭を打ち、一瞬意識をなくしたのだという。「だいじょぶだ」と本人がいうのでそのままトラックで東京に向ったのだが、そのうち意識が消え、病院へ運びこんだときはすでに完全に死亡していた。「トラックから振りおとされたことにしたさ、その方がどうせならまだ諦めもつくだろうからな、あいつの姉さんにしたって」と、兄はいった。

信二が数ヵ月ぶりでバンド・マンたちに逢ったのは、安達の通夜の夜だった。深夜すぎに楽団員たちが二台のタクシーで川崎の安達の家に着いた。彼らは、それまでは仕事だった。

「よう坊や、久しぶりだなあ」小林が、まだ独身の安達の姉の出す座蒲団に腰を下ろしながらいった。「あの茅ヶ崎いらいだろう?」

「おれたちもこのごろ茅ヶ崎には行かないけど」小林は親しげに信二のそばにやってきてしゃべった。彼の呼吸にはかすかに酒の匂いがした。「なんでも、このごろじゃ夕方まで、辻堂寄りの海岸で上陸用舟艇の訓練をしてるってよ」