Japanische Klassiker mit Furigana
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らんだのかるた
懶惰の歌留多
Lesen Sie 懶惰の歌留多 (らんだのかるた) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.369 Zeichen · 25 Bildschirme
怠けものは、陸の動物にたとえれば、まず、歳とった病犬であろう。なりもふりもかまわず、四足をなげ出し、うす赤い腹をひくひく動かしながら、日向に一日じっとしている。ひとがその傍を通っても、吠えるどころか、薄目をあけて、うっとり見送り、また眼をつぶる。みっともないものである。きたならしい。海の動物にたとえれば、なまこであろうか。なまこは、たまらない。いやらしい。ひとで、であろうか。べっとり岩にへばりついて、ときどき、そろっと指を動かして、そうして、ひとでは何も考えていない。ああ、たまらない、たまらない。私は猛然と立ち上る。
おどろくことは無い。御不浄へ行って来たのである。期待に添わざること、おびただしい。立ったまま、ちょっと思案し、それから、のそのそ隣りの部屋へはいっていって、
「おい、何か用がないかね?」
隣室では、家の者が、縫いものをしている。
「はい、ございます。」顔もあげずに、そう答えて、「この鏝を焼いて置いて下さい。」
「あ、そうか。」
鏝を受けとり、大きな男が、また机のまえに坐って、かたわらの火鉢の灰の中に、ぐいとその鏝をさし込むのである。
さし込んで、何か大役をしすました者の如く、落ちつきはらって、煙草を吸っている。