Japanische Klassiker mit Furigana
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わがあいするしじんのでんき
我が愛する詩人の伝記
室生 犀星
Lesen Sie 我が愛する詩人の伝記 (わがあいするしじんのでんき) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 116.728 Zeichen · 231 Bildschirme
それは堂々たる小説家の小説の類ではなく、雑誌の隅っこに、やっと半頁くらい掲載された何十行かの詩と、それを発表している詩人の名前が、毎月の登竜門となって羨望の眼で読まれた。詩の原稿は滅多に頼まれる機会がないから、平常この雑誌なら埋め草に掲せてくれそうな見当を付けて置いて、編集者におべっか半分の手紙を書き、自著の詩集まで添えて、三篇も詩があった場合、佳さそうな一篇でもあったら掲載されれば甚だ光栄の至りだと、ぺこぺこ頭を下げて原稿を送り付けしたものであった。ぺこぺこ下げた頭のおかげで、埋め草に詩がのると、私達はいまの何々賞とかいう小説発表の機運を得たように得意がって、自分で哀願懇請によって掲せられた顛末はいわずに、『秀才文壇』に今度は書いてやったが、あれを読んだら『中央公論』だって頼んで来ないとも限らないさ、編集者はナマの原稿を読んだってピンと来ない一種の中毒症状を持っているから、雑誌に出るとカッと食い付いて来るんだ、いまに日本じゅうの雑誌がせり合って詩を掲せるようになるだろう、その時は一篇五十円くらい取ってやるんだと、私達は無名の友人の間で嘯ぶいていた。