Japanische Klassiker mit Furigana
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わがあいするしじんのでんき
我が愛する詩人の伝記
室生 犀星
Lesen Sie 我が愛する詩人の伝記 (わがあいするしじんのでんき) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 116.728 Zeichen · 231 Bildschirme
その頃の詩の原稿料は一篇五円くらいであった。いまは最低税外一万円から二万円くらい皆さんは、取っている。
その毎月のうめくさに私はよく、山村暮鳥の名前を見出してまたやられたと思った。それは私が送り付けしようとひそかに企らんでいる雑誌に、何時も先きに抜け馳けしていて、私の詩の投書を通せん坊をしている山村暮鳥という名前の詩人の、素早い文学修業のほどが何時も行手に邪魔者となって、立ち現われた。詩の構成をしらべると作意感覚のあるところは、私自身のそれとほぼ同じところを辿っていることに気付いたが、時間をかけて一つの詩を練り上げるという行き方よりも、篇数の多きに亙って心の賑いをとらえるという、大概の詩人がこのあたりにぐず付くそれにとらわれていることを見抜いた。派手な邪魔者は大抵の雑誌にうめくさ同様の詩をばら撒き、私は彼の後ろから隙間があったら亡き者にしようと、赤い鰯色のだんびらを下げて身構えて、尾いていた。だが、この田舎のサムライは時々後ろを向いて、にこつくだけで用心もしないし、後ろばきのだんびらの光も見せなかった。当時、私は剣士萩原朔太郎と市中の小ちゃい道場を叩き潰すために、何時も大酒を浴びて同行していた。