Japanische Klassiker mit Furigana
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わがあいするしじんのでんき
我が愛する詩人の伝記
室生 犀星
Lesen Sie 我が愛する詩人の伝記 (わがあいするしじんのでんき) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 116.728 Zeichen · 231 Bildschirme
それは真紅の上衣を着、頭に神の栄光と冠を持つてゐる、
おゝ万人の歓喜よ、
すべてのものが彼女を囲繞して来た、
すべてのものが彼女を讃嘆した、
おゝ私はいま人類に生きる、
私はいまあらゆるものをこの胸の上に受取る、
私は彼らのすべてを抱き、彼らのすべてに接吻する、
おゝそして彼等のよろこびと叫喚にいま私の戸口は破られる。
今日、この詩を読むと、すでに古典風で隔世の感があるが、内容からいえばこの詩人の思いには堂々とした、重い西欧名画の接触がある。ねらいに間違いはない、却って彼が折々の自然への着眼や、そのあしらいには稚気があって抜け切った透明さがない、つまりこの詩には一人の女を見直そうとした彼に、完全に見直すことの出来た歓喜はあるけれど、詩では、こういう表現効果は容易に捉えることが出来ない。
大抵の詩人は一度は小説を書いて見ようという気構えを、いつも発作的に擁いているものだが、百田宗治も私が小説を書きはじめた時分に、二、三篇の小説を書いてそれを話していた。私の読んだ一篇に「小売商人の子」という小説があったが、自伝風な作品だが大胆さも繊細さもなく、まとまりがあるだけであった。