Japanische Klassiker mit Furigana
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わがあいするしじんのでんき
我が愛する詩人の伝記
室生 犀星
Lesen Sie 我が愛する詩人の伝記 (わがあいするしじんのでんき) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 116.728 Zeichen · 231 Bildschirme
という童話雑誌が出ていて、それと同系のこれも童話雑誌の『金の船』が発行されていた。初夏の頃だったがその『金の船』の婦人記者とも見える一人の少女が、当時田端に住み、小説というものをそろそろ書きはじめ、自称新進作家の中に割り込んでいた私を訪ねて来た。少女はまだ十九歳くらいで、まんまるくふとり、よく聞きとれないくらいの低音で『金の船』に童話を書いていただきたいという来意だった。だが、この声の低い記者の人は、今日あがりましたのは、実は先日島崎藤村先生のお宅にうかがった折、藤村先生は専門の童話家におたのみになるより、いままで童話というものに手をつけていない作家に書いて貰った方がよい、たとえば佐藤春夫とか室生犀星とかいう人は、まだ童話を書いていないから、書いて貰えば変った物が出来そうだし、童話も別途にいきいきしてくるのではないか、行って頼んでごらんなさい、きっと面白いものを書いてくれますよと、藤村先生が仰有ってくださいましたので、今日、あがったわけでございます、と言って彼女は急に気づいて、わたくし名刺も差し上げませんでしたが、と、このにこにこした少女は一枚の名刺を差し出した。