Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
われにそむく
我に叛く
宮本 百合子
Lesen Sie 我に叛く (われにそむく) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 29.414 Zeichen · 59 Bildschirme
恐しさに堪えないような気持がした。と同時に、必死な、何とでも闘おうとする猛々しさがこみあげて来るのを感じた。彼女は、到頭、避けよう、避けようとしていた衝突に、我から胸を突当ててしまったのである。
真木は、正面に、ゆき子と向い合った。そして、
「ゆき子」彼は強いて穏な言勢を執った。「何が不満なの? 議論することがあるなら、ちゃんと、順序を立ててしよう。矢鱈に亢奮したって分らないからね」
「――貴方は、私が何か云い出すと、直ぐ、先ず、亢奮するな、とおっしゃるのね。第一、そう定めてかかっては戴きたくないわ」ゆき子は哀れなほど激しい眼で良人を見た。
「私はね、貴方が、私の不満を御自分で感じて下さらないことが、不満なのよ」
「僕には、何にも不満はない」
「そう! あるべき筈ではない、と定めていらっしゃるのね」
「そうじゃあないか? お互に健康で、段々生活が確立して、仕事が纏まって来れば、これほど感謝すべきことはない」
「どういうのを、生活の確立したものだとお思いになるの?」
「それは」
ゆき子は、焦立たしげに遮った。
「私はね、生活の確立したものを、世間並に、小金でも蓄めて、いい旦那さん奥さんになったのを云いはしませんのよ。