Japanische Klassiker mit Furigana
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あるわかれ
或る別れ
北尾 亀男
Lesen Sie 或る別れ (あるわかれ) von 北尾 亀男 (きたおかめお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.515 Zeichen · 8 Bildschirme
やがて見窶らしい棺桶をかつぎ出す。うしろに主人と男の子、老母出て来る。)
人夫甲 (主人に)染井でしたね?
主人 ああそう。
老母 (軒下に立って、合掌しながら南無阿弥陀仏を低唱する)
(人夫あらためて肩を入れて立つ。下手に去る。主人と男の子、無言のままそのあとに従う。老母じっと見送る。やや間。ちょいと眼を拭いて家の中に入る。)
(やや間。父憂鬱に出て来る。娘、追って出て来る。)
娘 ねえお父さん、どうしたの? どうしてそう急に……
父 なあに気にすることはないよ。会わない前のことを思えば何でもないから。
娘 でもどうして此処へ来るのがいやなの?
父 いやじゃないがね。結構だとは思うが。
娘 それなら来ることにしたらいいじゃありませんか。来て下さいよ。ねえ。
父 うむ、だからそうなると、矢張りそれだけお前が余計苦労しなけりゃならない。
娘 しやしないわ、ちっとも!
父 そうは行かないよ。矢張り別になっていた方がお互に気楽でいいよ。
娘 お父さんがそうなら仕方がないけれど、私の方はちっともかまわないのよ。
父 うむ、有難う! どっちみち一人身だから世話になるようだったらいつでも直ぐ来られる。