Japanische Klassiker mit Furigana
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あるひ
或日
宮本 百合子
Lesen Sie 或日 (あるひ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.791 Zeichen · 6 Bildschirme
可笑しいことに、其処に居る婦人は皆、西洋人である。丁度、私が紐育の或大学寄宿舎に居た時日々顔を合わせたような、肥満した二重顎の婦人達ばかり、スカートをパッと拡げて居るのである。
隠れ乍らも、私の心は、深い悲哀に満されて居る。男を追って走り去った赤い洋服の娘のことが心掛りで仕方ないのである。
涙をためて机の下に丸まって居ると、戸口の方に人声がし、一人の婦人が入って来た。まるで入口一杯になる程、縦にも横にも大きい人である。大変快活な顔付で、いかつい眼や口のまわりに微笑さえ浮べて居る。
「あの娘は見つかりましたよ」
と云う。自分は勿論、居合わせた婦人も一斉に新たに入って来た人の方を見た。
「まあ! 何処に?」
矢張り笑顔のまま、大きな女のひとはくるりと、私共の方に背を向けた。一目見、自分は大声で泣き出した。背中に小猿をくくり付けでもしたように、赤い着物の女の子が、小さく、かーんと強張って背負われて居るのだ。
「河に身を投げたのだ」
と誰かが云う声が聞える。自分は、泣き泣き机の下から出た。どうしてもその小さい赤い屍を背負った人の傍を通らなければならないので、両手で眼を押え