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Japanische Klassiker mit Furigana

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せんそうはぼくをおとなにした

戦争はぼくをおとなにした

小川 未明

Lesen Sie 戦争はぼくをおとなにした (せんそうはぼくをおとなにした) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.627 Zeichen · 11 Bildschirme

Aozora Bunko

やはり、町から郊外へのがれる、人々の群れとまじって、逃げたのでした。

「もう、ここまでくれば、だいじょうぶだ。」

小高い丘のようなところへたどりつくと、みんなは、こういって休みました。

一方では、火のむちで打たれて、狂うように、烈しい風が、暗く、青ざめた、夜の空を苦しそうな叫びをあげて、吹いていました。風は、すこしの間、一息いれると、その後は、かえって、すさまじい勢力をあらわしました。そのたびに、たんぼのむぎや、まわりにしげる木立の枝が、いまにもちぎれて、闇の中へさらわれそうにみもだえしたのです。焼けくずれる町では、花火のごとく、火の粉が高く舞い上がり、ぴかりぴかりとして、凱歌を上げるごとく、ほこらしげにおどっていました。

人々は、あちらの木の下に、一かたまり、こちらのやぶ蔭に、一かたまり、いずれも押しだまって、ただ目だけを、赤く焼ける町の方へ向けて、おそろしいありさまを見守っていました。そのうちひとりが、ちがったところを指すと、みんなが、その方を向きました。へびの舌のように、紅い炎が、ちろちろと、黒い建物の間から、上がりはじめたばかりです。

と思ううち、見る見るすそをひろげて、一方の火と合し、たちまち、あたりは火の海となってしまいました。