Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

せんゆう

戦友

小川 未明

Lesen Sie 戦友 (せんゆう) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.699 Zeichen · 8 Bildschirme

Aozora Bunko

「前進。」

つづいて号令が、かかった。

終日、風の音と、雨の音と、まれに鳥の声しかしなかった平原が、たちまちの間に、草の木も根こそぎにされて、寸々にちぎられ、空へ吹き飛ばされるような大事件が持ち上がりました。大地をゆるがす砲車のきしりと、ビュン、ビュンと絶え間なく空中に尾を引くような銃弾の音と、あらしのごとくそばを過ぎて、いつしか遠ざかる馬蹄のひびきとで、平原の静寂は破られ、そこに生えている紫の花と白い花とは、思わず、恐怖にふるえながら、顔を見合ってささやいたのでした。

「なにが起こったのでしょう。」

「暴風雨がやってきたともちがいますね。」

ここに生えている木や、草たちは、ほんとうに雷鳴と、暴風雨よりほかに怖ろしいものが、この宇宙に存在することを知らなかったのでした。

「やはり、暴風雨でしょうね。いまにちょうが飛んできたら聞いてみましょう。」

いつも、暮れ方の陽が、斜めにここへ射すころ、淡紅色の小さなちょうがどこからともなく飛んできて、花の上へ止まるのでした。花たちは、そのちょうのくるのを待っているのであるが、今日にかぎってちょうは、どうしたのか、姿を見せなかったのです。