Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
てがみ
手紙
久生 十蘭
Lesen Sie 手紙 (てがみ) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.158 Zeichen · 30 Bildschirme
た。私は鱶のそばへ泳いで行って、両手で水を叩き、大きな声で叫びながら、鼻面をつかんでむこうへ押してやりました。鱶はそれで一度は深く潜りましたけれども、すぐまた浮きあがってきて、村上さんをねらいました。私は村上さんと鱶の間へ身体を入れ、両手で鱶を防ぎながら、
「早く、刳舟の上へ」と叫びました。
そのときは、鱶のほうもイラダッてきて、尾で村上さんを打とうとしますので、私は左手の拳を鱶のほうへ突きだしておいて、
「こうしているうちに、早く」とまた叫びました。突きだした腕はうまく口の中に入り、鱶は私の左腕の肱から先を喰いとって、水の中へ沈んで行きました。
それから五日目に、私どもはヨーク岬の西側、カルン岬の北の人のいない淋しい砂浜に舟をつけました。ミミカを出てから、ちょうど七十七日目でした。
ここはもとコンラッド兄弟のラガー船の基地でしたが、真珠貝がとれなくなったので、来る人もない。たいへんにさびれ、生物といえば、鴎がいくらか飛んでいるだけでした。すこしばかり草の生えた砂丘のつづきのむこうに、人の住まぬ、こわれた木造小屋と電信所が見えます。この二日、村上さんは眠ってばかりいましたが、私は村上さんを揺り起して、