Japanische Klassiker mit Furigana
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だきみょうがのせつ
抱茗荷の説
山本 禾太郎
Lesen Sie 抱茗荷の説 (だきみょうがのせつ) von 山本 禾太郎 (やまもとのぎたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.330 Zeichen · 34 Bildschirme
そのときから私には父の気性がすっかり変わったように思われました。酒の量もうんと増えましたし、唄はおろか笑顔さえ見せることがまれになりました。私は子供のことで大して気にもとめませんでしたが、だんだん大きくなるにしたがい、父がなにか大きな悩みのために苦しんでいることがよく分かりました。人のいないところで未亡人とひそひそ話をしているときなぞ、たまたま私がそばに行ったりすると真っ青になって私を睨みつけたりしたことがありました。私は父の死の瞬間までその悩みがなんであるか知りませんでした。父はこの大きな罪を背に負ったまま死んでゆくことができなかったのでしょう。死ぬときに……芳夫は暗い部屋で君子の前に立ったままここまで語ったが急にことばをきって、しばらく耳をすましていた。父が死ぬときに……芳夫は一層低い声でことばをつづけた――わしは人を殺した――みなし子になった君子さんが不憫だ――と言ったのです。私はあんたがこの邸に来た日からあんたの様子に心をひかれました。あんたは白石松江ではなく、ほんとうは田所君子であることもよく知っています。安心してください。私は決してあんたの敵ではありません。