Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だきみょうがのせつ

抱茗荷の説

山本 禾太郎

Lesen Sie 抱茗荷の説 (だきみょうがのせつ) von 山本 禾太郎 (やまもとのぎたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.330 Zeichen · 34 Bildschirme

Aozora Bunko

そろそろ夜の明けがたになって、二人の遍路が早立ちをするから、ちょっとご主人に挨拶がしたいと言って来たので、君子の父は病人の枕元を離れて茶の間に出てみた。もうすっかり旅支度の出来た二人の遍路は、丁寧に一夜の宿を恵まれた礼を述べ、聞けば奥さんがご病気のよし、さぞお困りのことであろう、一夜の宿を恵まれたお礼に、また四国遍路のつとめでもあるから、今朝は病気平癒のお祈りをした。このお札は四国巡拝を十回以上したものに限って授けられるまことにありがたいお札であるから、これをご病人に飲ましてくれ、といって小さな金色の御符を差し出した。ありがたやの父は、この霊験のあらたかそうなお札を押し頂き、あつく礼を述べたということである。

二人の遍路が発ってから、祖母はいつもするように、遍路の泊まった部屋に入って見たが、たいていの遍路がそうであるように、部屋はきちんと片付いて、なに一つ残っていなかった。泊まった遍路が発つときに必ずお札を一枚ずつ貼って出て行く出口の大戸、それはお札のために盛りあがるくらい分厚くなっているその大戸に、二人の遍路が貼ったものらしい二枚の新しいお札があったそうな。