Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

そうわ

挿話

徳田 秋声

Lesen Sie 挿話 (そうわ) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.544 Zeichen · 53 Bildschirme

Aozora Bunko

取ってくれた。

「先生、おひろもどうぞひとつ」森さんは道太に言っていた。

森さんは去年細君に逝かれて、最近また十八になる長子と訣れたので、自身劇場なぞへ顔を出すのを憚かっていた。

森さんはまたお茶人で、東京の富豪や、京都の宗匠なぞに交遊があったけれど、高等学校も出ているので、宗匠らしい臭味は少しもなかった。

鴈治郎の一座と、幸四郎の組合せであるその芝居は、だいぶ前から町の評判になっていた。廓ではことにもその噂が立って、女たちは寄るとさわると、その話をしていた。長唄連中の顔ぶれでは、誰れが来るとか来ないとかいうことも問題になっていた。観劇料の高いことも評判であった。

道太は格別の興味も惹かなかったけれど、ある晩お絹と辰之助とで、ほとんど毎晩の癖になっている、夜ふけてからの涼みに出て、月光が蛇のように水面を這っている川端をぶらぶらあるいていると、ふとその劇場の前へ出た。お絹はそういうときの癖で、踊りの型のように、両手を袖口へ入れて組んでいたが、足取りにもどこかそういったやかさがあった。

「ちょっと見てゆこうかね」道太は一度も入ったことのないその劇場が、どんな工合のものかと思って、入口へ寄って、場席の手入れや大道具の準備に忙しい中を覗いてみたが、その時はもう絵看板や場代なんかも出ていて、四つの出しもののうち、大切