Japanische Klassiker mit Furigana
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とりものしょうせつのむずかしさ
捕物小説のむずかしさ
野村 胡堂
Lesen Sie 捕物小説のむずかしさ (とりものしょうせつのむずかしさ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.798 Zeichen · 4 Bildschirme
長い間には私の考えも態度も少しずつ変って行った。「面白く読ませよう」とした受け身の時代から「斯ういう事を書こう」という積極的な態度の時代になり、それからぼんやりした近頃の引摺られ状態に変っている。例えば第二期の代表として、「動機を罰せずして行為を罰する」近代法の精神を逆に、小説という名前に隠れて、私は「行為を罰せずして動機を罰しよう」としたこともあったのである。
私は草深い奥州の百姓の子として生れた。私の少年時代には、家族のうちにも、天保安政生れの老人があり、南部藩の百姓一揆の恐ろしさを身を以て経験した人も少くはなかった。従って私は侍階級の横暴と驕慢をいやが上にも聴かされて育ち、筆を執るようになってからは、侍階級の歪められた道徳を、非難し揶揄することに興味を持っていたらしい。
封建的な義理や人情、寺子屋的な或は三勝半七的な道徳も、私の嫌いなものの一つであった。戦争前から戦争へかけて、極端に日本的なものが、無暗に尊ばれた時代に、私共捕物作家が、かなり勝手なことの書けたのは、捕物小説なればこその有難さであったとも云えるだろう。(これを指摘してくれたのは白石潔氏であったが)