Japanische Klassiker mit Furigana
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たんていしょうせつのしんしめい
探偵小説の真使命
夢野 久作
Lesen Sie 探偵小説の真使命 (たんていしょうせつのしんしめい) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.095 Zeichen · 9 Bildschirme
同じ金網の中で同じ餌を遣ってはならぬ……という宣言に対して、羅馬法皇に対する新教徒のような萎縮や、絶望を新人諸君が感ずる必要は毛頭ない。
鶏の人類に対する真実の使命はその変種に在る。食用鶏は卵が少く、採卵用鶏は肉が美味くない。それでいいのだ。
同様に探偵小説の真の使命は、その変格に在る。謎々もトリックも、名探偵も名犯人も不必要なら捨ててよろしい。神秘、怪奇、冒険、変態心理、等々々の何でもよろしい。吾々はもはや太陽の白光だけでは満足し得ないのだ。スペクトルの七色光だけでも既に満足し得なくなっているのだ。紫外、赤外線は勿論のこと、その中に横たわる暗黒線の内容までも分析して、何かしら戦慄的な、絶大恐るべき毒線を作る原素の潜在を確保しなければ、良心的に生き甲斐を感じなくなっているのだ。どこまでも探偵し、暴露して行かなければ本能的に満足が出来なくなっているのだ。
探偵小説の使命はこれからである。
全世界はまだまだそうした探偵小説の処女地である。何でもない暑中見舞のペン字の曲り目から、必死的な殺人の呪いが分析され、新しいハンカチの折目から持主の不倫行為の現場が映写し現わされ得る筈だ。