Japanische Klassiker mit Furigana
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どうきゅうしつのしちにん
撞球室の七人
橋本 五郎
Lesen Sie 撞球室の七人 (どうきゅうしつのしちにん) von 橋本 五郎 (はしもとごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.589 Zeichen · 12 Bildschirme
最後に、チョークを拾った新しい撞手が訊問された。
「いいか」と係官が云った。「この傷の深さからすると、これは兇器を手に持って直接突込んだものではない。それから方向から云うと、傷は、恰度お前がチョークを拾うためにこの台の側に跼んだその辺からやられた、そんな見当になる。ここから投げると、少し覚えのあるものなら、充分あの男を斃すことが出来るのだ。ちょっと跼んで、短刀をそこへ投げつける格好をやって見い」
係官は、この南洋土人のような色の黒い男を、特に我々にはしなかったお前と云う言葉で呼んだ。そして押しつけるような声音でそう云うと、もう罪人を扱うような態度で、その新しい撞手の肩の辺を押しやって、無理矢理球台の下へ跼ましていた。
男の顔は蒼ざめていた。それから身体全体が、ぶるぶる顫えているのが私にさえ見てとれた。
「とに角、お前は一応本署まで連行する。兇器はいったい何処へやったのだ」
係官のその言葉は鋭かった。
「貴様白を切って解らずにいると思うか! 貴様はこの間まで曲馬団にいたではないか! 印度人に化けて投剣とか云うのをやっていたではないか。こら! 何故殺したか、そんなことは後でよろしい。