Japanische Klassiker mit Furigana
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ばんしゅうへいや
播州平野
宮本 百合子
Lesen Sie 播州平野 (ばんしゅうへいや) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.683 Zeichen · 214 Bildschirme
人間魚雷の多くは粗製で途中で爆発し、沈んだ。しかし、夜になると、数人の者が、またそこに集った。住民たちは、それらのことをすっかり知っていた。が、雨戸をしめて、何も知らなかった。何故なら、その附近は厳重に立入禁止であったし、すべては、知ってはならないことなのであったから。
ここには人口二十万の大都市がつくられる筈であった。その架空の計画が崩れた途端、この土地に愛着をもたずに集められていた人々は、工廠官舎がまず空屋になるとともに、いそがしく退いて、三万にも足りない住民がのこった。崩されかけたまま工事中止になった崖の下、埋立てられ雑草がしげりっぱなしの田圃の真中まで延びて来て、そこでとぎれたままの大道路の横に、ちょぼちょぼとのこされた。そして、退職金をくいはじめた。
家の前通りへ曲って来ると、道に一尾、ひろ子が名を知らない白っぽい細長い形の魚が落ちていた。その魚は、漁師の籠からでも落ちたものらしく、活がよかった。海近い村の通りの落しものらしくて面白いと眺めていると、ひろ子を追いこして、背広に折カバンをもった男が、その落ちている魚のところへ通りがかった。