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Japanische Klassiker mit Furigana

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ばんしゅうへいや

播州平野

宮本 百合子

Lesen Sie 播州平野 (ばんしゅうへいや) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.683 Zeichen · 214 Bildschirme

Aozora Bunko

背中の重い荷物で体を二つに折り曲げ、気ぬけした表情の老若の兵士が、重荷で首をうしろへつられる関係上、誰も彼も上眼づかいで、のろのろと、遠くの山並は美しい旧街道を、停車場さして歩いて行った。その街道は五兵衛のところの裏からはじまっている。五兵衛一家やそのあたりのものが、おのずから敏い農民の眼で戦争の間から今日まで、どっさりのことを目撃して来たのは当然のことであった。

「牛肉や豚肉みたいなものまで、とり放題だったんですって」

主婦らしい羨望が小枝の声に響いた。その頃、一般の家庭ではどこでも、肉類などを買うことが出来ずにいた。

五兵衛は、小枝の報告ぶりをわきに立ってきいていたが、

「はア、たまげたね。まあ、無えつうもんはまず無えな。毛布だれ、軍靴だれ、石油、石鹸、純綿類から、全くよくもああ集めたったもんだ。民間に何一つ無えのは、あたり前だね、あれを見れば」

それを自分の眼で見て来た驚きを、披瀝した。

「話のほかよ。奴等、背負えるったけ背負って帰れ、って云わっちゃもんだから、はあ、わが体さ四十五貫くくりつけて、営門を這って出た豪傑があります」

「まあ」

小枝もひろ子も笑い出した。