Japanische Klassiker mit Furigana
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ばんしゅうへいや
播州平野
宮本 百合子
Lesen Sie 播州平野 (ばんしゅうへいや) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.683 Zeichen · 214 Bildschirme
「まあよく来たこと!」
思わずそう云って立ち上ったとき、ひろ子は、不思議な感じを与えられた小声のしらせのことは忘れた。
母のあとについて茶の間へ降りてみると、ガラス障子のところで、縫子が一人坐っている。もうよっぽど前から、そこにそうやっていたように、ぼんやりした所在なさをあらわした姿で坐っている。ひろ子は、また奇妙な気がした。
「どうしたの縫ちゃん。いつ頃から来ていたの」
いぶかしそうに立ったままいきなり訊くひろ子を下から見上げるようにしながら、縫子はもち前の落付いた口調で、
「さア、小一時間も前に来たかしら」
そして、懐しそうににっこりした。
「知らせがいったの?」
「いいえ。わたしお姉さんが来ておられることなんか、ちっとも知らなんだの。昨夜、直次さんの夢を見て、気にかかってせんないから、一寸しらせに来たら、来ておられるって……」
縫子は、一里半歩いて、来ているのであった。
夢で、直次がミヨシというところにいる、という話をしているのをきいた。さめたあとまで、あんまりミヨシという土地の名がはっきり聞えていて忘られないので、近所で旅行案内をかりて地図をみたら、