Japanische Klassiker mit Furigana
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はせくらじけん
支倉事件
甲賀 三郎
Lesen Sie 支倉事件 (はせくらじけん) von 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 204.697 Zeichen · 406 Bildschirme
「――――」
浅田は黙って唇を噛んだ。
「僕が君の細君に連れられて支倉の宅へ行った時には、何だか騒ぎがあったようだね」
「――――」
「細君が、お篠さんとか云ったね、大そう腹を立てゝいたじゃないか」
「あいつはどうも無教育で、所構わず大声を出すので困るのです」
浅田はポツリ/\答えた。
「と許りは云えまいよ。あの時はどうも君が悪いようだったね」
「どうしてゞすか」
「おい、浅田」
根岸はきっとなった。
「白ばくれゝば事がすむと思うと大間違いだぞ。俺は何もかも知ってるんだぞ」
「何もかもと云うのはどの事ですか」
浅田は嘯いた。
「お前が支倉の細君にした事だ」
根岸は呶鳴りつゞけた。
「何の事ですか、それは」
「馬鹿! 貴様は未だそんな白々しい事を云うのかっ! 貴様は根岸を見損ったか。根岸はどんな人間だか知ってるか。痛い目をしないうちに恐れ入って終え」
「――――」
浅田は答えない。
「よし、支倉の留守宅でお前がどんなことをしたか、お篠を召喚すれば直ぐわかることだ。オイ、渡辺君」
根岸は渡辺刑事を呼んだ。
「直ぐお篠を連れて来て呉れ給え」
「宜しい」
渡辺刑事は勢いよく立上った。
「鳥渡待って下さい」