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Japanische Klassiker mit Furigana

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はせくらじけん

支倉事件

甲賀 三郎

Lesen Sie 支倉事件 (はせくらじけん) von 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 204.697 Zeichen · 406 Bildschirme

Aozora Bunko

石子の手を執らんばかりにして渡辺は云った。

「之を見て呉れ給え」

「支倉から何か云って来たのか」

石子は渡辺が只ならぬ様子で差出した手紙を一目見るより叫んだ。そうして引ったくるように受取ると、一気に読み始めた。

「うん、又裏を掻かれたのだ」

渡辺は情けなさそうに云った。

「畜生!」

読み終った石子刑事は唇を噛んだ。

「どこまで悪智恵の働く奴だか訳が分らない」

「一時も早く公園の警戒を解いて貰わねばならないのだ」

渡辺が叫んだ。

「そうだ。もしきゃつに悟られると大変だ。すぐ電話をかけて警戒を解くとしよう」

石子は直ぐ応じたが、落胆したようにつけ加えた。

「あゝ、今日こそは逃がさないと思ったのに」

「僕もそう思って今朝からソワ/\していたんだ」

渡辺は残念そうに云った。

「兎に角、僕は電話をかけて来るよ。何、未だ望みはあるよ。支倉に悟られて終った訳じゃないんだから。鳥渡待っていて呉れ給え。悠り対策を講じよう」

石子はそう云い捨てゝ足早に外へ出た。

渡辺刑事が支倉の手紙を握ったまゝ、何か考えるともなく、茫然突立っていると、やがて石子刑事が急ぎ足で帰って来た。

「君、もう心配はないよ」