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Japanische Klassiker mit Furigana

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せいだんじゅうにそう

政談十二社

泉 鏡花

Lesen Sie 政談十二社 (せいだんじゅうにそう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.626 Zeichen · 48 Bildschirme

Aozora Bunko

」と上目づかい。

判事は黙ってうなずいた。

婆さんは唾をのんで、

「お米はいつもお情ない方だとばかり申しますが、それは貴方、女中達の箸の上げおろしにも、いやああだのこうだのとおっしゃるのも、欲いだけ食べて胃袋を悪くしないようにという御深切でございましょうけれども、私は胃袋へ入ることよりは、腑に落ちぬことがあるでございますよ。」

六

「昨年のことで、妙にまたいとこはとこが搦みますが、これから新宿の汽車や大久保、板橋を越しまして、赤羽へ参ります、赤羽の停車場から四人詰ばかりの小さい馬車が往復しまする。岩淵の渡場手前に、姉の忰が、女房持で水呑百姓をいたしておりまして、しがない身上ではありまするけれど、気立の可い深切ものでございますから、私も当にはしないで心頼りと思うております。それへ久しぶりで不沙汰見舞に参りますと、狭い処へ一晩泊めてくれまして、翌日おひる過ぎ帰りがけに、貴方、納屋のわきにございます、柿を取って、土産を持って行きました風呂敷にそれを包んで、おばさん、詰らねえものを重くッても、持って行ッとくんなせえ。そのかわり私が志で、ここへわざと端銭をこう勘定して置きます、これでどうぞ腰の痛くねえ汽車の中等へ乗って、と割って出しましただけに心持が嬉しゅうございましょう。