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Japanische Klassiker mit Furigana

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こきょうをおもう

故郷を想う

金 史良

Lesen Sie 故郷を想う (こきょうをおもう) von 金 史良 (きむさりゃん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.586 Zeichen · 5 Bildschirme

Aozora Bunko

私がそれ程の花好きというのでもないのに。母ももう年を取ったものだと思う。そして帰る度毎に、気力や精神が衰えているように思われて悲しい。六十をこえると老い方も一層早いのだろうか。

殊に昨年はコスモスの咲き出す頃、すぐ上の姉特実が亡くなった。三十という若い身空で、子供を三人も残してはどうしても死にきれないと云いながら、基督教聯合病院の静かな部屋で息を引取った。その死は今思うだに悲痛なものに感じられてならない。それを書くには今尚私の心の痛みがたえられそうもない気がする。彼女は私のはらからの中では一等器量がよくて、心も細やかであり明朗でもあった。父が母と違って絶壁のように保守的で頑固なために、幾度母に責め諫められながらもついにあの姉を小学校にさえ出さなかった。女に新教育は許せないというのである。いくら泣き喚いても、それは無駄であった。でも彼女は無智の中にあきらめていようとはしないで、七八の頃から千字文で一通り漢字を習い、朝鮮仮名はもう既に自在に読み書きが出来、小学校へ上ったばかりの私を先生としてそれ以来ずっと諸学科の知識をかじり、それから雑誌を取り寄せ新聞を読むなどして、その識見や思慮は私が中学にはいった頃はもう尊敬すべき程だった。