Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぶんしょう

文章

芥川 竜之介

Lesen Sie 文章 (ぶんしょう) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.765 Zeichen · 14 Bildschirme

Aozora Bunko

「堀川さん。弔辞を一つ作ってくれませんか? 土曜日に本多少佐の葬式がある、――その時に校長の読まれるのですが、……」

藤田大佐は食堂を出しなにこう保吉へ話しかけた。堀川保吉はこの学校の生徒に英吉利語の訳読を教えている。が、授業の合い間には弔辞を作ったり、教科書を編んだり、御前講演の添削をしたり、外国の新聞記事を翻訳したり、――そう云うことも時々はやらなければならぬ。そう云うことをまた云いつけるのはいつもこの藤田大佐である。大佐はやっと四十くらいであろう。色の浅黒い、肉の落ちた、神経質らしい顔をしている。保吉は大佐よりも一足あとに薄暗い廊下を歩みながら、思わず「おや」と云う声を出した。

「本多少佐は死なれたんですか?」

大佐も「おや」と云うように保吉の顔をふり返った。保吉はきのうずる休みをしたため、本多少佐の頓死を伝えた通告書を見ずにしまったのである。

「きのうの朝歿くなられたです。脳溢血だと云うことですが、……じゃ金曜日までに作って来て下さい。ちょうどあさっての朝までにですね。」

「ええ、作ることは作りますが、……」

悟りの早い藤田大佐はたちまち保吉の先まわりをした。