Japanische Klassiker mit Furigana
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ぶんげいのてつがくてききそ
文芸の哲学的基礎
Lesen Sie 文芸の哲学的基礎 (ぶんげいのてつがくてききそ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 49.519 Zeichen · 98 Bildschirme
往来をあるくのでも分ります。いくら巡査が左へ左へと、月給を時間割にしたほどな声を出して、制しても、東西南北へ行く人をことごとく一直線に、同方向に、同速力に向ける事はできません。広い世界を、広い世界に住む人間が、随意の歩調で、勝手な方角へあるいているとすれば、御互に行き合うとき、突き当りそうなときは、格別の理由のない限り、両方で路を譲り合わねばならない。四種の理想は皆同等の権利を有して人生をあるいている。あるくのは御随意だが、権利が同等であるときまったなら、衝突しそうな場合には御互に示談をして、好い加減に折り合をつけなければならない訳です。この折り合をつけるためには、自分が一人合点で、自分一人の路をあるいていてはできない。つまり向うから来る人、横から来る人も、それぞれ相当の用事もあり、理由もあるんだと認めるだけに、世間が広くなければなりません。ところが狭く深くなると前に云うた御医者のようにそれができなくなる。抽出法と云って、自分の熱心なところだけへ眼をつけて他の事は皆抽出して度外に置いてしまう。度外に置く訳である。他の事は頭から眼に這入って来ないのであります。