Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ぶんげいじひょう
文芸時評
宮本 百合子
Lesen Sie 文芸時評 (ぶんげいじひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.869 Zeichen · 14 Bildschirme
でも、主題はやはりその基調の上に立てられている。ある作品が、題材的には極めて具体的であるが、主題は必ずしも客観的な現実をとらえ深められているのではない場合、作品の歴史的真実性は減殺されざるを得ない。特に、この種の作品は、作品の出現の本質に、その点の統一をきびしく求める因子をふくんだものなのである。
一方に池田小菊氏の「札入」(改造)がある。他方に尾崎一雄氏の「暢気眼鏡」(文芸春秋)がある。その中央に、この二人の作家に直接間接影響をもっている志賀直哉氏の生き方と芸術的境地とを置いて考えると、池田氏、尾崎氏、それぞれ志賀的完成をあばいてもっと生々しく自分を確立しようという努力の途上で、今日どんな方角へ出て来ているかという点が真面目に考えられるのである。「札入」の作者は「万暦赤絵」がその経済的知的貴族性から持っていない俗塵、世塵を正面から引かぶろうと構えているらしい。しかし、作者は自身の気構えのつよさに現実の苛烈さを錯覚しているところもある。志賀直哉氏の人為及び芸術の魔法の輪を破るには、志賀氏の芸術の一見不抜なリアリティーが、広い風波たかき今日の日本の現実の関係の中で、実際はどういう居り場処を占めているものであるか、何の上にあって、しかくあり得ているかを看破しなければならないのである。