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Japanische Klassiker mit Furigana

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やみのしらが

文豪怪談傑作選・特別篇 百物語怪談会

沼田 一雅

Lesen Sie 文豪怪談傑作選・特別篇 百物語怪談会 (やみのしらが) von 沼田 一雅 (ぬまたいちが) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.076 Zeichen · 11 Bildschirme

Aozora Bunko

このおばアさんが死んでから後、どういうものかこの嫁も何と無く気がうつらうつらと重い枕に就く。そして臨終の期が近づいた。その瞬間である。上野の鐘がボーン……と鳴った。その鳴ると同時、おばアさんからは怨み抜かれて、そして今息を引き懸けている嫁の寝ている天井の一方に当って、鼠ともつかず鼬ともつかぬ物の化の足音が響いた。そしてその足音は鐘の鳴った方面から始まったとまで、この話の観察は行届いている。そして鐘の音が一つボーン……と鳴ると、その怪しの足音は一方へ動く。また一つ鳴るとまた動く。そして嫁の寝ている胸の真上と覚しき処まで、その足音が来たかと思う時、その死に瀕した病人が跳ッ返えるように苦悶し始めた。臨終の席に列った縁者の人々は、見るに見兼ねて力一杯に押えようとするけれど、なかなか手に終えなかった。そして鐘の音の沈むと共に病人の脈も絶えた。意味を考えることは別問題として有の儘だけをお伝えする。これが鐘の響と女の死というような『上野の鐘』の大略で、十二時を報じた時の鐘であったという。

私もその家は音ずれてみたことがあるが、嫁の代が変ってからは何等のことも無いような風である。