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Japanische Klassiker mit Furigana

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どうじ

文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子

室生 犀星

Lesen Sie 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.454 Zeichen · 357 Bildschirme

Aozora Bunko

二

二

堀は、やっと床から起きられるようになってからも、一日ぼんやりとしていた。川へは一切漁に出かけることもなく、鬱々として何を言っても確かな返事さえもしなかった。ふしぎな四十九日間の外出が、おあいには少しも分らなかった。

ただ、閑暇さえあれば、堀は、家じゅうを捜して歩くか、庭へ出て樹の根もとにしゃがんで、茫然と空を眺めているかして、埒もなくぼんやりしていた。漢医にきくと、何か憑きものがしているとだけで、細かい病状が分らなかった。

不思議なことは、そのころお城下はもちろんのこと近在に至るまで、夜になると、野犬の群がうすぼんやりした月夜のけむったなかに、びょうびょうと吠えたけっていた。そういう晩になると堀は、きっと庭さきへ出て、永い間跼んでいるかと思うと、両手を地に突いて、やはり野犬のような吠え声を出した。それは決まって月夜で烟った晩で、きまって堀は誘われるように夜啼きをするのだった。あおいも、初めのうちは気味悪く思ったが、慣れると、しかたなく裏戸を開けて、浅間しい夫のそういう姿を青い庭木の間にながめた。堀はただそういう一時間ばかりの発作が済むと、夜露でぬれた髪をしたまま、もとの居間へかえった。