Japanische Klassiker mit Furigana
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どうじ
文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子
室生 犀星
Lesen Sie 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.454 Zeichen · 357 Bildschirme
漆のような闇がつづいた五軒目の、ぼんやり点れた電燈にまざまざと格子戸がはまっている。……。」と考え沈んだとき、がったりと音がした。女がびっくりして目をあけた。格子戸があいて男がかえってきたのである。
女はすっと立って玄関へでた。
「おかえりなさいまし。」
茶いろの帽子はまた女の手にもどったが、それはすぐ帽子掛にかけられた。男は酔った声で低く遠慮しているような声でささやいた。
「誰もこなかったかね。郵便も。」
「いえ。どなたもお見えになりませんでした。」
女はそう言って、ちらりと男の顔をみると先刻の男と異っているところがなかった。いもりのような唇をしている女が、玄関の内側に佇んでいるような気がして暗い男のうしろをながめた。軒燈をうしろにした格子が寒々と荒い桟型にはめられていた。
「そうか。さびしかったかな。おそいから寝たらいいだろう。」
男はそういいながら女の顔をみると、夕方出て行ったときから、また一と皮だけやつれてみえた。顔いろが日に日にわるくなってゆくのも目についた。
「お床をとりましょう。」
女はそう言いながら床をとってしまうと、男はぐったりと疲れたからだを横にした。