Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
どうじ
文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子
室生 犀星
Lesen Sie 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.454 Zeichen · 357 Bildschirme
――ことに最っと不思議なことは、晩、登山したものが、この堂宇の裏から陰気な犬の遠吼えのような唸りが絶え間なく漏れてくること、それが月夜の晩などには殊に酷く吼えたけっているということが村人につたわっていた。実際堂宇である赤星重右がおかしなことには、月夜になると断岩や樹の下へ跼んで、その蒼白い顔を空に向けて、まるで犬のように吼えているということが、しばしば村人の目にさえ留るようになっていた。それがために、権現の霊顕に対してこれを疑うものはなかった。
その年の秋に、赤星重右が断岩の陰ったところで、蠅のうずまきの中に、死体となっているのを村人は見つけた。お城下の蘭医派の菊坂長政は、それを一種の病毒不明の、併しながら何等かの犬畜に犯されたらしい診断をしただけ、別に取り立てて噂さするものがなかった。が、村人はこれを丁寧にその堂宇のかたわらに碑を立てた。それと前後していつの間にか神の使者であるべき白鼠の姿は次第に影をかくしてしまった。それ故、村人は赤星重右を一種の、何かふしぎな天狗の一種のような、決しておろそかにできないもののような考えを持ち、それを祠のなかに加えたのである。