Japanische Klassiker mit Furigana
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どうじ
文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子
室生 犀星
Lesen Sie 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.454 Zeichen · 357 Bildschirme
「お前があそこに坐っていると誰かが、お前の知っている、そう一番仲のいい子が来るような気もちになるのじゃない?――お前がそれをちゃんと知っているのじゃないか知ら?――」
お俊はそう言って自分らしくもないと思って赧くなったが、きよ子はべつに何も思っていないらしく呆やりとしていたが、ふと、こんなことを言った。
「貞さんがね、お母さま、――」
お俊は冷たくなった。そして「貞さんがどうしたの。」と問い返した。が、きよ子はそれ以上何も言わなかった。お俊はそれを問い糺すことが恐ろしいような気がした。眼底を去らぬ姉弟の姿があったから、――
「いまごろあの子のことなぞ言い出すものじゃありませんよ、妙な子ね、お前は? それだから神経質だって言われるのよ、もう、そんな事は言っこなし……ね、よく分っているわね。」
「ええ、そりゃ………。」
お俊は急に心が重く鬱し出した。
しかも今寝ざめの頭にまだ浮んでいる川原の土手を行く姉弟の姿が、このきよ子の寝顔をみているうちにぼんやりと浮んで見えた。
かれら姉弟はいつも二人揃って、二人とも赤いジャケツを着て、同じ色の帽子をかむり、姉はすこし大きい靴をはき、弟はすこし少さい靴をはいて、日のこぼれた道路をよく歩いていた。