Japanische Klassiker mit Furigana
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どうじ
文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子
室生 犀星
Lesen Sie 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.454 Zeichen · 357 Bildschirme
「けれども僕がもう会いにこなくなったらどうするの。」むすこはそう言って眼を母親から避けようとした。お俊はあわてて遮ぎった。
「そんなことは無い、お前はいつだって居ると言ったじゃないの、お前は来ようと思えば何日でもこられるんだし、何も彼もお前の思うとおりになるようなところに居るんでしょう。」
「いいえ、そんなことはないんです。僕の考えどおりにはならないの。」
「どうしてだろう?――」
「どうしてだか?」
お俊は眼にみえぬものをさぐりあてるように川原の方をながめた。清い空気と、荒い瀬とがあった。何も眼にうつりそうもなかった。唯、一帯の荒涼な風景の凡てから或る広々した思いがしたばかりであった。それとむすことを結びつけて考えようとするお俊は、なお落莫としたものを感じた。お俊には何事も現実でなければならぬ、自分の在るようなところにむすこをもう一度置かねばならぬと考えて見て、呼吸づまるような苦しい念いがした。そういう考えをもつのはむすこを苦しめるようなものだとも思うた。お俊は何かそう考えると、しばらくでもむすこを自分で抱いて、隔れる時間を永びかさなければならぬと考え、そしてむすこを膝の上に乗せ、しっかりと抱きしめた。