Japanische Klassiker mit Furigana
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どうじ
文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子
室生 犀星
Lesen Sie 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.454 Zeichen · 357 Bildschirme
」
二人は、こう言い対うと、童子を真中にして庭後へ出た。
「季氏は?」
「もうかえるころでございましょう。」
母親は、童子に向い、「おまえに季氏という妹ができたんですよ。お前は見たことがないだろうがね。それはかわいい子ですよ。」
童子は、曇った目をしながら、そういう母親の目をみあげた。
「僕は知らない。」
「いまに会うことができるから。」
童子は、答えようとしなかった。ちょうど自分一人でなかったことに気がつき、それを寂しむような表情が漂うていた。
「季氏にこの子はあわせない方がよいかも知れない、何となくそういう気がする。もし会わせたらそれきりこの子はたずねて来そうもないように思われてならないから。」
父親は、童子のたどたどしている足もとをみながら、暗くなったあたりに仄浮いている母親をかえりみた。
「しかし……。」
母親は、言葉を切った。「いつの間にか逢うようになるでしょうし、匿しきれるものでありませんから。」と言った。
「それもそうだね。その子の心もちになると寂しいだろうと思うから言うのだが、だが、どうでもよい。」
父親は、蜘蛛の巣に羽ばたく虫を払い、手を石泉で漕いだ。