Japanische Klassiker mit Furigana
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どうじ
文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子
室生 犀星
Lesen Sie 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.454 Zeichen · 357 Bildschirme
よこ顔がそっくりさッきの家の子に似ていた。が、女はすこしも童子のいることに気がつかないらしく、それに目を遣りもしないで、ときどき溜息をついては玄関の方をながめていた。恰も何かそこに影のようなものでも折折見出さなければならないように……しかし童子はおとなしく、ただ小さい跪座をくんで、ひとりで、それがひとりであるために充分であるように、丸めた彩糸をいくつも女の膝の上にならべていた。女は、それに少しも気をとられないでいた。静かな電燈の下で、それらの光景が、笏梧朗をして家へはいることを思いとどめさせ、止むなく植込みの中に佇っていた。
童子は、それがいかにも安らかで他念なさそうだった。同じことを繰返しながら倦むこともなかった。母親は、虫のこえにさそわれたのか、それとも何となく長い疲れが出たのか、針箱に手をささえたまま、うっとりと睡り込んでしまった。――母親とすこし離れて小さい臥床があり、そこには赤児がこれも低い笛のような安らかな睡りを睡っていた。いっさいは曇色ある明りの中に、時計ばかり動いている外に物音のない部屋は、きちんと仕組まれたすくりいんのように、おのおの影をひきながら在るままに在った。