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Japanische Klassiker mit Furigana

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どうじ

文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子

室生 犀星

Lesen Sie 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.454 Zeichen · 357 Bildschirme

Aozora Bunko

夜中に、も一人看護婦が来た。吸入の霧のなかで、赤児はぜいぜい苦しそうに空気が足りなそうに喘いだ。わたしは病室と書斎とを行ったり来たりしながら、玄関の下駄を一ト隅によせたりするような、へんな真似をした。

赤児は、わたしも妻も茶目であるにかかわらず、黒いつやつやした瞳をしていた。それがなおつやつやしくセルロイドのように光って、熱で、悲しそうに動いてみえた。

「しっかりしろ、死ぬには早いぞ。」

わたしはそういうと、赤児の名をよんだ。あたりは吸入の霧で、ほとほと雫が天井から下ちているような気がした。糊のしめった看護婦の白衣がしっとりしていた。妻の髪にも吸入の露があった。みな勇ましそうに働いた。

「今夜のうちに熱を下げなければなりません。」

妻は、半分気狂いのようになり、吸入が窒ったとか、炭が足りないとか言った。実際今夜しくじったら取り返しがつかないと、私も頭に熱がさして来た。

「三十八度に下った、下った。」

妻は、夜明方になり、そう叫びながら私の寝ているところへ来て言った。わたしは飛び起き、赤児の顔をさしのぞくとやはり苦しそうにハアハア言っている。

「この容子ですと朝までに、もっと下るでしょう。