Japanische Klassiker mit Furigana
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どうじ
文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子
室生 犀星
Lesen Sie 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.454 Zeichen · 357 Bildschirme
そこからお前の目に。」
「え、ぼんやりと……。」
童子は目をしばたたいた。母親も心に苛立ちを見せながら目をこすったりした。
「こうしてお前とわし等とは、日が経つごとに縁が切れてしまうのだ。お互いの影がだんだんに薄くなってしまって、お前にもわし等にもお互いに見ることができなくなるのだ。」
父親は、そういうと童子の手を握りしめた。童子は、その手を父親のするとおりに委せていた。
「でも、そのうちに又見えるようになりはしないでしょうか。」
母親は童子の顔近く眼をよせながら、怺えられなさそうに言った。
「いや、もう再たと子供を見ることはできないだろう、何となくそう思われる。いつまでも子供をみていることはできなくなるだろう。」
母親は、童子に縋って泣いたが、童子は、間もなく門の方へ駆け出した。そして全くそのかげを消してしまった。
その翌晩から、笏はその妻と食卓に対いながら、ぼんやり門前をながめていたが、いつもの時間になっても童子の歩いてくる姿はなかった。垣を覆うつたの葉が、長い茎を露わして凋れ落ちる微かな夕風が渡るだけだった。
かれらの退屈で陰気な日が続いても、童子の寂しい姿すら見ることができなかった。