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Japanische Klassiker mit Furigana

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どうじ

文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子

室生 犀星

Lesen Sie 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.454 Zeichen · 357 Bildschirme

Aozora Bunko

笏もその妻も、灯に対って悄然と坐ったきりだった。長い夜は壁ぎわから冷えわたるだけで、何一つかれらの心には温かいものがなかった。

「あれはみな夢をみていたのでしょうか。あの子の訪ねて来たことも、そうして話していたことも。」

母親は、やつれた面をあげ、夫をみあげたが、笏は、やはりちからなく坐ってしばらく黙っていたが、やっと鬱々しい口をひらいて言った。

「あれらの出来ごとはおれとお前とが、想像あげていたようなもので、それが今はあとかたもなくコワされたのだ、そう思うより仕方がない。」

笏はその心に、童子の来たことも偶然に父と母との考えがいつの間にか毎日の出来事のように仕組まれていたに過ぎない。それもお互いが子供のことを考え合っているとき、微妙な働きがあれほどまでに正確に動いていたかと思うと、すこし恐ろしい気もした。――笏梧朗はなにか考え込んでいたがふと悒々した目をあげた。

「こうしていてもあれがやはり来ているのかも知れない、ただ、目に見えないだけかも知れないのだ。」

「そうね、わたしもそんな気がしますの。」

女もそう答えると、あたりをうっすりと見廻した。わけても庭の方へその視線がただようて行った。