Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
どうじ
文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子
室生 犀星
Lesen Sie 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.454 Zeichen · 357 Bildschirme
そのうち、夜が来ました。蒼い空には月もない星あかりの夜であった。見物人は十二三人いてふしぎそうにガラスの箱の中を見つめていました。
その時どこからともなく、波のような遠い音がして、誰かが何か唄っているのが聞えて来たのだが、どうも向岸らしく、よほど遠くぼやけて聴えてくるのでした。仲々佳い声で見物人はぼんやりと聞きとれていたが、その声は夜とともに濃く美しく近くなってくるのであった。李一はまだこんなに美しい唄をきいたことがないので、向う岸に夜の教会堂でもあるのか、近ごろ都から来た音楽者だちの集りでもあるのかと、うっとりしながら聞き恍れていました。
そのとき先刻の男は銭勘定を止めて、突然笑い出しました。
「あッははは……」
皆はびっくりしてその男の方へ、首をねじ向けました。
「お前さんがたは何を感心してそんなにうっとりしていなさるのだ。」
そう言って男は見物人の顔をひとわたり眺めました。その中に一人の強そうな服を着けた青年が怒ったような顔付でこう言ったのです。
「君にあの唄がきこえないのかい、あんなに美しい唄がわからんのか。」
男はまた笑いました。
「ははア、あの唄かい。