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Japanische Klassiker mit Furigana

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どうじ

文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子

室生 犀星

Lesen Sie 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.454 Zeichen · 357 Bildschirme

Aozora Bunko

「では一人で思い立って行ったらいいじゃないか? 何も父さまにそんなに遠慮しなくともいいではないか。」

「けれども……。」

娘は憂わしげな眼で父親をそっと穏やかに見上げた。

「わたしが彼処へ行ってしまったら、既うそれきりになって帰って来ないような気がしますもの。もし然うだったらお父さまはどう成さるおつもり――。」

娘の眼はその瞬間にやさしい猾るさを、その可愛げな頬ににっとうかべた。――眠元朗はちくりと胸を螫されたような気がした。かるい不快が伴うた気分だった。

「お前がかえらなかったら――そうだな、お父さまはお前をさがしに出掛けるだろうよ、そして何処かでお前をどんなに困難してもさがし出すかも知れない――しかし此処へつれてかえるかどうかは分らないが、捜すだけは捜す――。」

「そして若し何処にもわたしがいなかったら! どんなにしても捜すことができなかったらどうなさいますの。」

「そんな筈はないお父さまの生涯をその為に潰してもきっと捜し当てて見せる。それでもお前はどこかに隠れ終せるだろうかね。」

娘は真寂しい父親の顔に日の光が射しているためか、なお一層悲しげにその目をみつめながら、自分の考えていることを言わずにいられなかった。