Japanische Klassiker mit Furigana
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どうじ
文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子
室生 犀星
Lesen Sie 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.454 Zeichen · 357 Bildschirme
」
「ほら、その、鳥かげだ、すうっと映ってくる。」
女は、佇ったまま、眼を凝らしていたが、すぐに脆く泪ぐんだ。そしてなお飽かずに鳥籠を見つめていたが、「此処の家はもう厭ですから越してしまいましょうか。」と心からそう言った。
「何処へ行ったって面白くもおかしくもない世の中だ。つづめていえばイヤなことばかりだ。」
私はそういうと、ぐったりと跪座を組み、そういうとき吐息をすると、それなりからだのちからが抜けてしまうような気がするように、だらりとしてしまった。がっかりして俯向いていたが、何も彼も詰らない、くさくさした気になって仕方がなかった。起きるのも寝るのも、そうして、こうして坐っているのさえ厭だった。「おれはおれ自身をどうしていいのかさえ分らない。何て怠屈で不愉快なダラけた気もちだろう。」と思えた。
「おれはちょいと医者のところへ行って見ようと思うんだ。まだ尋ねたいこともあり、だいいち、あれがどんな原因で死んだかということをも聞いてみたいような気がするから。」
私は考え考えいるうち、ふとずっと先きから、執拗く心にねばりついていることを、そっと落ちついて、女に、そう大事でないように云った。