Japanische Klassiker mit Furigana
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どうじ
文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子
室生 犀星
Lesen Sie 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.454 Zeichen · 357 Bildschirme
禅師さま、阿闍利さまは八月におかえりになりましたが、阿闍利さまのうしろに見なれぬ一人の童子が伴うておられました。その童子の美しさはこれまで見たこともない美しい方でした。
まるで女と申していいでしょうか、それとも童子といっていいでしょうか? お色の白さは蒲公英の茎から出る乳のようで、弱々しくて優しいお色でございました。眼のきれいなこと、日のあかりに透いた耳の紅かったこと、それに手や足は玉のようだといったらお笑いになるかも知れませんが、むかしの稚児さまのように美しいのでございます。阿闍利さまは唯ひと言、こう申されました。
「これはわしの弟子で拉れて来たのですから、わし同様にいとしがってやってください。」
童子は紹介されて女のように顔をあからめ阿闍利さまの笈のかげに面ばゆく匿れるようにして、ちょっと頭を下げられました。そのいとしさ美しさ優しさは何といっていいか分りません。女のわたくしですら、うっとりとしたくらいでございます。
「阿闍利さまもこれから後はすこしはお楽になりましょう。よい童子をお見つけになりました。」
と申しますと、阿闍利さまは常になくお喜びになり、いそいそとお山へおあがりになりました。