Japanische Klassiker mit Furigana
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どうじ
文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子
室生 犀星
Lesen Sie 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.454 Zeichen · 357 Bildschirme
わたくしはその童子の眼を見ているときに、童子がどんなに阿闍利さまを信じているかということを感じました。
「わしは童子がわるいので何ごとも楽しいとは思いませぬ。」
阿闍利さまは唯ひと言そう申されただけです。
「ちょうどまだ冬に入ったばかりから病みついて、段々にわるくなる一方です。」
わたくしは阿闍利さまに物語って医者を迎えることを計りました。阿闍利さまは喜んでわたくしに万端のことをお託みになりました。しかし童子は細いこえで、けなげにもこういって頭をふりました。
「お師僧さま、わたくしはお医者を迎えてほしくございません。唯、お師僧さまのおそばに凝乎としていたいのです。それにわたくしは自分で生きることを考えられません。きっと夏にならぬ間にわたくしはこの世にはいないだろうと思います。」
阿闍利さまはそういう童子のあたまを撫でながら、
「わしはお前のよくなることを考えている。そのような悲しいことをいうてはならぬ。昨日にくらべると熱も下ったようではないか。」
そう申されましたが、童子は皓い歯をあらわして弱々しく笑いました。
「わたくしは何としてもだめでございます。それよりもお師僧さま、わたくしに早く水をおくみ下さいませ。