Japanische Klassiker mit Furigana
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どうじ
文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子
室生 犀星
Lesen Sie 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.454 Zeichen · 357 Bildschirme
』
しかし阿闍利はわしの声が耳に入らぬように、蚊のような細いこえで何かいっているように思われ、再びわしは阿闍利よ、迷うているなといった。
すると阿闍利はすこしばかり動いたようで、その眼にすこしばかりの生きた色が出て来て来たのじゃ。あたりは畳の上に菌が生え、草の蔓が這うているばかりでなく、地を這う虫までがいた。わしはそのときこの阿闍利は生きてはいないと思うた。なぜかといえば一時間あまりというものは少しも動いたことがないから、……動いたと思うのもわしの気のせいだったのじゃ。迷いぬいた精魂がまだからだに残っている、……
『………』
わしは禅杖を上げて阿闍利の肩を打ったのだ。すると頭はくだけ、衣につつまれたままの、骨だらけであった。わしは再び杖をあげた時には、その骨と衣との間から一疋のこおろぎが這い出したことを知った。
『女ごよ、もう阿闍利は亡くなっている。』」
禅師はそういって高々と笑い出した。菊世は始めて仏の間に灯をともした。