Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぶんちょう

文鳥

夏目 漱石

Lesen Sie 文鳥 (ぶんちょう) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.569 Zeichen · 22 Bildschirme

Aozora Bunko

けれども起きるのが退儀であった。今にやろう、今にやろうと考えているうちに、とうとう八時過になった。仕方がないから顔を洗うついでをもって、冷たい縁を素足で踏みながら、箱の葢を取って鳥籠を明海へ出した。文鳥は眼をぱちつかせている。もっと早く起きたかったろうと思ったら気の毒になった。

文鳥の眼は真黒である。瞼の周囲に細い淡紅色の絹糸を縫いつけたような筋が入っている。眼をぱちつかせるたびに絹糸が急に寄って一本になる。と思うとまた丸くなる。籠を箱から出すや否や、文鳥は白い首をちょっと傾けながらこの黒い眼を移して始めて自分の顔を見た。そうしてちちと鳴いた。

自分は静かに鳥籠を箱の上に据えた。文鳥はぱっと留り木を離れた。そうしてまた留り木に乗った。留り木は二本ある。黒味がかった青軸をほどよき距離に橋と渡して横に並べた。その一本を軽く踏まえた足を見るといかにも華奢にできている。細長い薄紅の端に真珠を削ったような爪が着いて、手頃な留り木を甘く抱え込んでいる。すると、ひらりと眼先が動いた。文鳥はすでに留り木の上で方向を換えていた。しきりに首を左右に傾ける。傾けかけた首をふと持ち直して、心持前へ伸したかと思ったら、白い羽根がまたちらりと動いた。