Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しゃこう
斜坑
夢野 久作
Lesen Sie 斜坑 (しゃこう) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.977 Zeichen · 39 Bildschirme
だから他の者がその仕事場に作業をしに行くと、その魂が腹を立てて邪魔をする事がある。通り風や、青い火や、幽霊になって現われて、鶴嘴の尖端を掴んだり、安全燈を消したり、爆発を不発にしたりする。モット非道い時には硬炭を落して殺すことさえあるので、そんな事の無いように運び出されて行く道筋を、死骸によっく云い聞かせて、後に思いを残させないようにする……というのがこうした習慣の起原だそうで、年が年中暗黒の底に埋れている坑夫達にとっては、いかにも道理至極であり、涙ぐましい儀式のように考えられているのであった。
今運び出されているのは旧坑口に近い保存炭柱の仕事場に掛っていた勇夫という、若い坑夫の死骸であった。むろん福太郎の配下ではなかったが、目端の利くシッカリ者だったのに、思いがけなく落盤に打たれてズタズタに粉砕されたという話を、福太郎はタッタ今、通り縋りの坑夫から聞かされていた。又、呼んでいる声は吉三郎という年輩の坑夫であったが、この男は嘗て一度、この山で大爆発があった際に、坑底で吹き飛ばされて死んだつもりでいたのが、間もなく息を吹き返してみると、いつの間にか太陽のカンカン照っている草原に運び出されて、医者の介抱を受けている事がわかったので、ビックリしてモウ一度気絶したことがあった。