Japanische Klassiker mit Furigana
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だんきょうきぶん
断橋奇聞
田中 貢太郎
Lesen Sie 断橋奇聞 (だんきょうきぶん) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.144 Zeichen · 25 Bildschirme
英雄自ら是れ風雲の客
児女の蛾眉敢て仙を認めんや
若し武陵何処と問わば
桃花流水門前に到れ
老婆はその詩を見て世高を秀英の許へやってもいいと思った。老婆は秀英にその意を含めた。しかし、秀英にはどうして来る人を迎えていいか判らなかった。
「今晩、遅く皆さんが寝静まった時に、花園の中の、あの石のある処へいらして、そこの樹へ索を結えて、その端を牆の外へ投げてくださるなら、あの方がすがってあがりますよ」
「では鞦韆の索を投げましょうか、あすこに大きな樹があるから、それを結えましょうか、牆からあの樹を伝うなら、わけなくこられるのですよ、でも、あの樹は枯れかかってるからあぶないのですよ」
「いいでしょう、そんなことは、男の方ですから」
そこで話ができたので老婆は帰ろうとした。秀英はそこへ繍鞋児を出してきた。
「これをどうか、あの方に、ね」
老婆は詩と繍鞋児を袂へ入れ荷物を持って帰ってきた。
老婆の店に待っていた世高は、両手で拳をこしらえて耐えなければ、気でも違いそうに思われるような喜びに包まれた。彼は一度家へ帰って、夜になるのを待ち、新しい衣服に著更えて再び老婆の許へ往った。