Japanische Klassiker mit Furigana
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だんきょうきぶん
断橋奇聞
田中 貢太郎
Lesen Sie 断橋奇聞 (だんきょうきぶん) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.144 Zeichen · 25 Bildschirme
そこで世高は劉万戸の前へ往った。
「先生は杭州の方ではございませんか」
それは確かに劉万戸であった。世高はひっかえしてそれを秀英に囁いた。そして、二人は別室へ入ったが、秀英は母に遇いたいので、世高の止めるのも聞かずに、その夜両親の室の前へ往って泣いていた。
劉万戸夫婦は女の泣声を聞きつけて、秀英の声に似ていると言っていたが、とうとう起きてきて扉を開けた。そして、夫人は秀英の姿を見てもしや鬼ではないかと思ったが、懐かしいので抱きかかえた。
劉万戸は人をやって、天笠山麓の墓をあばかしたところで、中には何もなかったので、はじめて世高と秀英の詞を信用した。
そして、皆でそこに滞在しているうちに、張士誠の軍が敗れて、路がやっと通ずるようになったので、劉万戸は急に出発することになった。
世高は秀英といっしょに劉万戸に随いて上京しようとした。車に乗る時になって、劉万戸は秀英ばかりを乗せて、世高が乗ろうとすると遮った。
「お前のような者は、だめだ」
秀英は車の上から手を出して世高に取りついて泣いた。世高も決して離れまいとした。
「俺の家は、代々無位無官の者を婿にしたためしがない、女がほしいなら、読書して、高科にのぼるがいい」